2/<新老人保健制度>
高齢者を直撃する三重負担

現在の老人医療費の拠出金制度(各保険制度から出し合う仕組み)をやめて、高齢者相互にその費用を負担させ合う仕組みに、切り替えようというもので,高齢者自身が保険料を負担することになります。なかでも低所得者の高齢者は、負担増が直撃します。

:介護保険と新保険、窓口定率
今でも国民健康保険に加入している高齢者は保険料を払っています。しかし、所得が180万以下の人は、健康保険の被扶養者として、保険料は払わずに済んでいました。ところが、この新しい高齢者保険ができると、この新しい高齢者保険ができると、すべての人が保険料を払わなければならなくなります。
介護保険の保険料も加わると大変な額になります。その上、老人の窓口での医療費負担を定率にすることも検討しています低所得の高齢者にとっては三重の負担増が押し寄せます。
介護保険料に新老人保険料、更に窓口では定率負担です。

:資格証明書の発行の義務づけ
介護保険法には,国保の制裁措置の強化が盛り込まれています。これは、資格証明書の発行を全国一律にし、滞納者から保険証を取り上げる制度です。市町村は、それに応じない場合は10万円の過料(罰金)まで科すことができるという内容です。現在高すぎる保険料の前に払えない人々は保険証を取り上げられ、事実上皆保険制度は崩壊します。

国保はそもそも低所得者と高齢者の加入を前提とした制度であり、大幅な国庫負担と、減免による低所得者への負担の軽減が必要です。さらに、国保の問題は、健保と比べ、傷病手当金が義務づけられたいないことなど,その保証水準の低さにあります。逆に、国保にならって健康保険の傷病手当金をなくす検討もなされています。

保険あって介護なし!

介護の問題は、きわめて切実で、待ったなしの課題です。しかも、介護問題の多くが女性の肩にのしかかり、高齢者が高齢者を介護するという状態になっています。 切実な介護の実態から、介護保険に期待する世論も大きいのですが「介護保険法は」その期待に応えてくれそうにありません

:特養待機者はおよそ10万人
介護が必要になる人に比べ、新ゴールドプランによる施設やヘルパーの数が足らないことが指摘されてきましたが,その新ゴールドプランすらも7割の地自体が達成できないとしています。
現在でも特別老人ホームの待機者はおおよそ10万人もいます。この1年半の間に2万2千人も増えています。施設が増えなければ、待機者はこのまま、介護保険はこれらの人々を切り捨てることになります。

:不安だらけの介護、医療サービス
制度が実施されると、少なくない保険料を徴収されます。しかし、サービスを受けようと思っても、今の治療のように気軽には受けられません。
この保険で、介護サービスを受けようと思うと、「要介護の認定」という手続きが必要となります。この手続きが煩雑で、しかも結果がでるまで一ヶ月以上を要します。さらに認定されるハードルが高く、現在デイサービスを受けている虚弱の高齢者の多くが、この認定でふるい落とされ、介護保険が適用にならない可能性があります。
福祉の営利市場化がいっそう加速することも心配です。切り捨てによって限定されたサービスのギャップを金で買う介護となりかねません。
医療のことで悩み事やお困りの方は!

○地域の社会保証推進協議会(社保協)
○民医連 ○医療生協の病院,診療所

<参考資料.全日本民医連/1997.12.2>