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環境の複合汚染  その2.身の回りの汚染物質

体内に有害物質が蓄積され,それを排除しようとする人体の代謝機能が疲幣し、ついにお手上げ状態になったとき,ごく微量の有害化学物質に対しても過剰に反応するのが化学物質過敏症です。
化学物質過敏症は超微量の化学物質で起きるため,原因物質やしくみについてはまだほとんどが未解明です。しかしここで注目すべきは,薬理学的にいうと化学物質過敏症は無効量において発症していると言うことです。
その人の環境や年齢,遺伝的要素など個人差に違いがあり,化学物質過敏症の可能性があってもその判断はすぐにつきません。要するに健康バランスの乱れによるからだの警告信号と捉え,そのバランスを回復するように解毒や体質改善,養生にこころがければよいのです。

■生活環境の化学物質

○住まいの大敵ホルムアルデヒド
シックハウス症候群の代表格でもあるホルムアルデヒド(ホルマリン)は強い皮膚、粘膜刺激作用があります。微量でも皮膚炎,結膜炎を起こすため欧米では0.1~0.5ppmを室内環境基準としています。
新築住宅のホルムアルデヒドの主な放出源は合板の接着剤で一番濃度の高いには築後1~3年です。

○発ガンの危険が大きいアスベスト
コンクリート建築物の耐火被覆材として使われ,1975年に発ガン性が認められアスベストの吹き付けは原則的に禁止されました。 しかし今なおアスベストが輸入され,他の吹き付け材として使われていると推定されます。
健康障害は空中に飛散するアスベスト繊維の吸収によるものです。1995年には特に毒性の強いアスベストは使用,製造が禁止されました。しかし、古い建築物を解体するとき微細なアスベスト繊維が粉塵に混じり新たな環境門だと提起されています。

○燃やすと危険プラスチック
ベークライト(フェノール樹脂)は現在ではプラスチックと呼ばれています。フェノールはホルムアルデヒドと尿素を重合したプラスチックです。ホルムアルデヒドは食品の加熱により食品容器からの溶出が考えられ問題化されています。また,燃やしたときに発生するガスは有毒なものも多い物質。

○チャパツ(茶髪)も成分的には
髪全体を染める染毛剤のほか,部分的に簡単に染めるヘアカラー,ヘアマニキュアがありますが、主成分は強い毒性をもつ物が多く使用によって各種のアレルギー症状が現れることもあるので過敏体質の人は特に注意が必要です。元々はアニリン誘導体からなる病原菌を染色,死滅させる物質で,赤血球とも結合し,正常な酸素運搬機能を阻害する作用もあります。

○知っておきたい合成洗剤の性質
洗剤や食器洗いに使われる合成洗剤の主成分は,石油.石炭を原料として合成された
界面活性剤です。合成洗剤は汚れ物質を分解することはなく自らも安定しているので,環境内では分解されにくく毒性が強いのである。それに対し石鹸は通常植物油を使用し,汚れを変化させながら自らも変化して分解されていきます。
合成洗剤を使って水仕事をすると手が荒れます。これは界面活性剤が皮膚の脂を落とすばかりでなく,皮膚の淡泊質を変性してしまうからです。血液中に入り込むと赤血球の細胞膜を分解したり慢性の肝臓障害を起こしたりもし,一方アトピー性皮膚炎などの各種アレルギー性疾患との関係も疑われており,さらには合成洗剤の分解物に女性ホルモン様作用があることが最近報告されています。
一般に目に痛みを感じるような合成洗剤ほど毒性が強いといわれ,濃度が高いほど毒性も強まります。

現在の日本の水源は,ダムに貯めてある水や河川下流の水などですがこれらには何れも生活排水や工場排水が入っていたりします。その原水を飲料用にするには処理行程を経たのち,塩素で消毒されますがこの塩素が原水中の有機物と反応してトリハロメタンという物資を生成し,最近の調査では水道水にも環境ホルモンに指定されている物質が含まれているという報告もなされています。 注.最近の調査や報告は1998の時点
何よりも大切なことは水源である河川などを汚さない努力をすることです。

○金属アレルギー(赤くなる,腫れる、熱い、痛い)
刺激性皮膚炎
酸、アルカリなど刺激性のある物質が皮膚を直接刺激することで起きる炎症,刺激性が弱い物質でも,繰り返し刺激されれば炎症をおこします。
アレルギー性接触皮膚炎
遅延型アレルギーの一種で、アレルゲンとなる原因物質が皮膚から浸入すると人体に抗体がつくられ,そののち再び同じ物質が接触すると、そこに発疹などの皮膚炎を起こします。
金属アレルギーが金属中毒と違うのは,きっかけとなる金属(コバルトやニッケルなど)の量がごく微量であるということです。
○新品衣料でおきるアレルギー
原材料の不純物がアレルギーを起こすことも考えられますが,(天然繊維中の残留農薬など)ほとんどは製造,加工段階で使われる加工剤によるものです。
衣類のシワをなくす為に樹脂加工するときに使われるのがホルムアルデヒド。プラスチックフィルムで密封包装されて販売されるワイシャツなどでは,生地にホルムアルデヒドが染み込み、アレルギー性皮膚炎などを引き起こします。

木綿製品も綿花栽培で散布される農薬,繊維加工段階で使われるアルカリ(水酸化ナトリウムなど)漂白剤,界面活性剤,そして製造段階で使われる合成のりなどの有害化学物質が使われています。
最近では一切化学物質を使わない「オーガニックコットン」が一般の衣料品として使われています。

○簡単で便利な食生活での留意点
トレイやカップ麺で使われている発砲スチロールの原料,スチレンは油に弱く熱を加えると溶け出すので,油性の食品が入ったトレイでの電子レンジの使用やレトルト食品などでは注意が必要です。(発ガン性のある環境ホルモンの疑いがあり)
ポリラップの原料の塩化ビニルにはアジビン酸エステルという物質が含まれ同様にレンジなどで調理すると溶出されることが予想され食品に移る可能性は高い。これらの物質は体内で分解されにくく,微量ながら蓄積されていくことになりねません。 特にからだの防衛機能が未発達な子どもには,紙性の容器を選ぶかドンブリなどに移し替えて調理し食べさせてあげたいものです。

○ポリカーボネイト製食器の影響
プラスチックの材料であるポリカーボネイト,原料はビスフェノールAには精巣を小さくしたり,精子を減少させる内分泌攪乱作用すなわち環境ホルモンの働きがあり,熱や油.アルコールに溶けやすい特徴があります。ポリカーボネイト製の食器は軽く,丈夫で熱も伝わり難いことから学校給食などで広く使われています。しかしこのポリカーボネイト製食器の原料であるビスフェノールAは熱に溶け出しやすく,さらには使用頻度に比例して溶出量が増えていることも分かっています。

環境庁が行ったポリカーボネイト製のボトルの調査からでも確認され,ポリカーボネイト製食器は今後見直したり,耐用年数を4~5年に改める動きも出ています。

缶詰や缶飲料の内側のコーティングに使用されるエポキシ樹脂の薬品原料もビスフェノールAです。いくつかの大学の分析調査からも一定量のビスフェノールAが検出されています。中でも製造工程で100度以上の温度で加熱されている缶飲料からはビスフェノールAが溶けだしている可能性は高いということです,缶詰もボツリヌス菌を殺菌するため溶けだしているとみてほぼ間違いないとする声も出されています。

98/05時点で約40%の小中学校がポリカーボネイト製食器を使用していましたが,そのうち207自治体で使用を中止しました。缶詰では生協が基準値を独自に制定する動きがあります。また缶飲料の底が白く塗られているものはビスフェノールAが溶けださない措置が施されているようです。

○乳幼児のおもちゃにも
子供用のおもちゃには塩化ビニルを用いたプラスチック製品が多く,おもちゃ業界では年間2万トンの塩化ビニルが使用されているといわれている。塩化ビニルはもともと硬いもので,柔らかくしたり弾力を持たせたりするために,フタル酸エステルやアジビン酸エステルが大量に使用されている。
赤ちゃんが使うおしゃぶりにも塩化ビニル製のものがあり,噛んだり吸ったりの力が加わるとより漏出しやすくなる指摘があります。

また、ポリカーボネイトを使ったプラスチック製品のほ乳瓶は,軽く割れないことから使われていますが,95度のお湯を入れ一晩置いたところ全てのほ乳瓶からビスフェノールAが溶けだしていることが報告されています。
最近ではプラスチックに変わりガラス瓶のほ乳瓶が増える傾向がみられます。デンマークでは子供用の製品には塩化ビニール製がまったく使われない国もあります。

○添加物が生活習慣病やアレルギーの要因に
.着色料で現在使用が認められているタール色素は12種類あるがどれも安全とは言い難くアメリカでは使用が禁止されている着色料です。しかし日本では氷菓,菓子類,清涼飲料水、洋酒にまだ使われています。
.発色剤は肉や魚が黒ずんだり腐敗するのを防ぐ役割があり亜硝酸ナトリウムが含まれています。ハム類,ウインナー,たらこの色鮮やかなものはこの働きによるところが大きい。
.保存料で最も危険といわれているのがソルビン酸カリウムで蒲鉾をはじめジャム佃煮,加工品など実にさまざまな商品に使われています。

ほかにも天然甘味料や天然添加物,人工的につくられた芳香剤や入浴剤など絶対安全とはいえません。

参考著書/化学物質から身を守る(三好基晴 著),危ない化学物質(吉岡安之 著),ダイオキシンの正体と危ない話(脇本忠明 著),地球がなくなる100の理由(餌取章男 著)


【無効量】 投与によって,毒性はもとより薬効らしき生体反応も示さない,言ってみれば毒にも薬にもならず,人体がただ淡々と代謝するだけのわずかな量。 無効量に戻る
【界面活性剤】 科学的に反発しあう水と油の境界面で,両者を取り持つような働きをすることに由来しています。界面活性剤の多数の分子が汚れである油成分と結合すると,やがて汚れを包み込むようになり(これをミセルといいます)結果として繊維や食器の汚れが水溶液中に分散することになります。  界面活性剤に戻る
【トリハロメタン】 発ガン性があり,奇形を作る成分も含まれている。水道水に関しては,5分ほど沸騰させればトリハロメタンは飛散する。(沸騰し始めた時点ではトリハロメタンの量は最も大きくなる) トリハロメタンに戻る

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